過去の記事でも、何度か登場している”職業訓練校”。
今からちょうど1年前の3月末、私は
香川県立高等技術学校の”住まいリフォーム科”を卒業しました。
寒い冬から春らしい陽気な気候に変わり始めた最近、去年の今頃のことを思い出したり。
それに伴って、職業訓練校で過ごした半年間のことを思い出すことも多々ある毎日。
もしも今、失業後の不安や葛藤を感じて
「職業訓練校で受講してみようか?」
「職業訓練校で、新しい世界を体験してみたい。」
「失業後、何をしたらいいのだろう。」
「仕事を辞めたけれど、自分には何ができるのかな?」
そんな風に考えている方がいたら、
この記事がほんの少しでも、あなたの参考になるような記事として読んでもらえたらいいな。という思いを込めて、今回の記事は
職業訓練校”住まいリフォーム科”ってどんな科?私が経験した、最高に濃い半年間の話。
という内容の記事を書きました。
・職業訓練校の受験
職業訓練校に通学するには、まずは手続きや受験が必要です。
1.ハローワークへ相談に
職業訓練校と一言で言っても、全国各地には様々な学科やコースがあります。
また、それぞれで受講期間も違えば、入校の受付期間も違います。
さらに、
自分は、職業訓練校に通うことができる条件が揃っているかどうか?
自分が希望する科が最寄りの訓練校にあるのかどうか?
などなど、訓練校受験を決める前に、あらかじめ調べておきたいことも。
いざ、
「職業訓練校に行きたい!!」
と思っても、入学の受付期間がうまく合わない可能性もあるので、
まずは入学前に気になることはしっかり調べてから決定しましょう。
しかし、調べるといっても、自分でアレコレとネットを駆使して調べる方法はあまりオススメできません。
なぜなら、受講できるかどうかは、個人それぞれの状況によって違ったり、都道府県によっても学科や受験日などの情報がまったく違うから。
訓練校の受験や受講の詳細を知りたい場合や、詳しく相談したい場合は
まずは管轄のハローワークへ相談に行くことが一番スムーズです。
ハローワークの総合受付へ行き、
「職業訓練校について話を聞きたい」という旨を受付の方に伝えると、訓練校担当の部署を案内してくれます。
気になっていることは訓練校担当の人に、余すことなく全部聞いてしまいましょう!
その時に受付している学科、雇用保険のこと、給付金のこと、受講期間、受験日、受験の内容、などなど。
私は厚かましいほど根こそぎ聞きまくりましたが、担当の人がとても感じのいい人で嫌な顔一つせずに丁寧に教えてくれましたよ(^^)
受験することが決まったら、願書をもらって必要資料を準備し、受験に備えます。
↓全国のハローワーク所在案内です。
2.受験日の服装は?
必要書類の提出が終わったら、あとは受験日を待つのみです。
入試当日の服装ですが、私が受験したときにはパッと見た感じで言うと、私服の人も数人いました。
私服だからと言って、合否に関係するかどうかは私にもわかりませんが、私を含め大半の人がスーツだったので、私服で行くと少し心細い思いをすることになるかもしれません。
そのあたりも、都道府県によって違うかもしれないので、ハローワークで聞いてみると安心ですね(^^)
ちなみに私は、スーツにリュックというスタイルで挑みました。
(このスタイルは他の人も見かけました)
3.受験内容って?
私が受講した住まいリフォーム科に関しては、受験内容は筆記試験と面接でした。
この辺は、あまり詳しく言いすぎると良くなさそうなので簡単に表現しますが、筆記試験は一般的な図形に関する問題や、簡単な計算など。
時間が限られているので、もしわからない問題があればその問題をポクポクと考え込むよりも、
わからない問題は捨てて、わかる問題をどんどん解いていくといいと思います。
また、面接は学科担当の先生、実技担当の先生と、私、の2対1での面接でした。
聞かれた内容は、今までの職のことやその科についてのことなど、です。
なんだか、当たり障りのないことばかりになってしまいましたが、こんな感じの入試でした。
4.合否の発表
私が受験した入試日は、9月2日。
そして、合格発表はそのちょうど1週間後の9月9日でした。
発表方法は、
・当日の朝9時に学校の掲示板に貼り出される
・インターネットでの発表
・郵送での通知
の3つの方法です。
私はインターネットで確認したのですが、正直結果にはまったく自信がなく
おそらくこりゃダメやったな~、と思いこんでいたので、自分の受験番号を確認できたときには驚きと喜びと。
そして無事に、その年の秋から
住まいリフォーム科の一員として通学させてもらえることになりました(^^)パチパチ
・高松市 住まいリフォーム科
住まいリフォーム科とは、その名の通り住宅のリフォームについて学びます。
全国には、住宅リフォーム科という名目で置かれている学校もありますね。
1.授業内容
”住まいリフォーム科” と聞けば、まぁなんとなく住宅関係の勉強ができるところだろう、という予想は付くかと思いますが、気になるのは詳しい授業内容ですよね。
住まいリフォーム科の授業の内容に関しては、こちら↓のサイトをご覧いただけたらと思います。
このサイトには、私が実際に住まいリフォーム科で学んだことがそのまま、詳しく丁寧に記事にされています。
それもそのはず、こちらのサイトの管理人は、私が通っていた住まいリフォーム科の同期である友人なのです(^^)
ちなみに彼は職業訓練校を卒業後、訓練での学びを生かして住宅関係の職に就きバリバリ働いているという、訓練生の模範のような人物。(リンクの快諾、ありがとう!)
2.住まいリフォーム科受講にかかる費用
住まいリフォーム科で学ぶための学費ですが、基本的には学費は不要です。
しかし、入学時には作業服や教科書などを購入する必要があります。
詳細は、私の手元に残っている領収書の範囲の金額ですが
(作業服等)
- 作業服上着 冬用 3,121円
- 作業ズボン 2,397円
- 防寒ジャンパー 2,797円
- 安全靴 1,900円
- 作業帽 冬用 572円
合計10,787円
(教科書)
- 建築Ⅳ 1,296円
- 木造建築実技教科書 1,944円
- 11コマンドですらすら書けるJW-CAD 2,700円
- 新入者のための安全衛生ABC 259円
- インテリアコーディネーター合格テキスト3,456円
- 福祉住環境コーディネーター検定試験3級公式テキスト 2,700円
- 福祉住環境コーディネーター検定3級過去問題集 1,728円
合計14,083円
作業服等 + 教科書 合計24,870円
という詳細になります。
さらに、明細の記録が残っていないので詳しくはわかりませんが、これに加えて安全用のヘルメットと防護メガネ、カンナも購入しました。
この3つについては、合計で10,000円あれば足りたと思います。
入校後には職業訓練校総合保険への加入もあり、その保険が3,900円。
ちなみに、安全靴や安全ヘルメットは、自分でもともとから持っているものがあればここで購入せずに持参OKで、自分のものを使っている人もいました。
ご自身が持っているものが使えるのかどうかは、その訓練校や地域によっても違ってくると思うので、疑問があれば担任の先生に聞いてみましょう。
あと、冬用のジャンパーは購入してもしなくてもいいようでしたが、これは私的には絶対に勝っていてよかったものです。
冬の外での作業は、本当に寒い!!!
中に着込むといっても、着ぶくれして動きにくく作業しにくいし限界があります。
また、作業していたら身体が温まってくるので、中に着込んでいると衣服の着脱がしにくい。
寒くなったら着る、暑くなったら脱ぐ、がスムーズにできるジャンパーが楽です。
ジャンパーは私物の持参ができず、決まったものだけの着用になるので迷わず購入することをオススメします。
3.通学中の駐車場は?
駐車場についてのことは、車での通学を考えている方にとって気になるところでしょうか。
訓練生は、駐車場は実費です。
ここがまた、注意したいところなのですが、訓練校の周りには有料駐車場が何か所かあります。
当然ですが、訓練校からの距離が近い駐車場ほど早く契約されていきますし、数に限りもあるので早めに申し込みをすることをオススメします。
早めに、とは言っても、前の期の訓練生が借りている状態ではまだ申し込みができません。
タイミングとしては入校説明会で駐車場についての説明を受けて、その日のうちにそのまま駐車場を確認しに行き、管理会社に問い合わせて申し込み手続きをします。
しかも、管理会社によっては金額も変わるので、なるべく安価なほうを契約したい場合は早く動いたほうがいいでしょう。
私の場合は、半年間(2016年10月6日~2017年3月21日)の駐車料を一括で支払いましたが、
仲介手数料込みで 23,946円でした。(地域によって全然違うと思うので、要確認です)
・半年間の訓練生活
住まいリフォーム科の訓練期間は半年間でしたが、科によっては3か月のところもあれば1年の科もあるかと思います。
半年間って長いようで短いようなイメージですが、実はほんっまに短いです。
1.担任の先生
主に学科を教えてくださる先生が、住まいリフォーム科の担任の先生で、
面接のときには、私が緊張していたこともあってか、先生のメガネの奥の瞳がかなり鋭く感じていたのですが、
実際はとーっても優しく温厚な先生です。
建築についての知識が豊富でいらっしゃるので、質問にも詳しく答えてくださったり
あらゆる面で、生徒の目線に立って考えてくださっていました。
建築だけではなく、人に対する物腰柔らかな接し方も教えていただいたと思います。
私はこの担任の先生とは、たった半年間の訓練校の先生と生徒、という関係ではなく
できることなら上司と部下という関係で、仕事上ずっと先生のもとで学び、勉強させてもらいたかった、と今でも思います。
お茶目な一面もあり、授業中にほんわか和むこともしばしば(^^)
2.実技担当の先生
元棟梁をされていた実技の先生。
とにかく仕事が丁寧で、大工さんとしての腕が素晴らしく、私はこの先生の木に対する仕事ぶりを見させてもらったおかげで実技の授業が大好きでした。
わからないことがあれば、何度聞いても丁寧に教えてくださって、優しくて、奥深い。
もっともっと、先生にいろんなことを教えてもらいたかったな、と思います。
ひとつの仕事を、きっちり丁寧にやり遂げる。
道具を大切にする。
モノを大切にする。
大工の世界だけではなく、すべての職業において通ずる大切なことを、背中で教えてくださりました。
今歯科衛生士で勤務中、歯石を除去する器具の刃先をキレイに研いで、しっかり手入れした状態で患者様の治療に使いたいと思うのも、この先生からの学びなのです。
3.幅広い年齢層の方との交流
私が通っていたときの住まいリフォーム科には、私を含めて全員で18人の生徒がいて、そのうちの10人が女性、8人が男性という割合でした。
年齢層は下は17歳~上は62歳まで。
当時の私は30歳でしたが、私の両親世代の人たちもいます。
住まいリフォーム科では”同期”という仲間でしたが、人生では大先輩。
これまでに、いろんなことを経験してこられた人々との交流は、私にとって刺激的で発見に溢れていて、勉強になって、毎日がとても満たされていました。
きっとこれから先の生活で、こんなにも多種多様な人生を送ってこられた人たちと、対等にコミュニケーションを取ることができる機会はもう無いでしょう。
何十年も働いてきた会社を定年退職した友達、都会から家族で移住してきた友達。
私が今まで未知だった世界の職で頑張ってきた友達、若くして家庭を持ちながら訓練に励む友達。
そんな素敵な人たちと、毎日同じ教室で、同じことを学んで、木を切ったり、ひとつのことに向けて力を合わせて作業していく。
学生時代に戻ったような、学生時代にやり残したことをもう一度させてもらえるような、そんな気持ちで過ごせる毎日だったと思います。
4.訓練校での学校生活
学校生活は、一般的な学生そのもの。
朝は8時40分~夕方は15時50分で終わりです。
もちろん休み時間もありますよ(^^)
訓練校には、さまざまな催し物もあって、「校外学習」と言ったいわゆる遠足のような行事もありました。(上の写真は、校外学習で瀬戸大橋記念公園へ行った時の写真)
ただその行先については、どこでもいいというわけではありません。
建築に紐づけできる場所と決まっていたり、時間の都合や予算の都合も考えながら、みんなで案を出し合って考えていきます。
11月には、「学校祭」という学園祭も。
それぞれの科が、お店を出したりイベントを考えて、学校祭を盛り上げます。
生徒以外の一般の方も自由に参加できるので、お子さん連れの方もとても多かったです(^^)
5.お昼ご飯は?
お昼休みのご飯は、私はだいたいがお弁当を持参していっていました。
お弁当の販売も、食堂的なスペースでお昼休みにあるので(250円だったか300円だったか)
そのお弁当を購入してもOKです。
お弁当購入を希望の日には、朝の時点で名簿にお弁当希望の〇を付けるのを忘れずに。
私が通っていた訓練校では、お昼休みに学校外に出て、外に購入しに出かけるのは禁止です。
また、カップラーメン系のものも禁止されていました。
・職業訓練校で習得したもの
訓練校に通って私は、心の底からよかった!と思えます。
1.学生のような心
先述しましたが、職業訓練校での学校生活は
学生時代にやり残したことや、もう一度やりたかったことをさせてもらうことができました。
それは、勉強の面にしても学校生活全体にしても。
再就職を支援してくださるという、訓練生としての通学期間でしたが
私にとっては、第二の青春のような感覚の半年間です。
2.資格
この半年間で、たくさんのことを教えてもらって
その中で”福祉住環境コーディネーター3級という資格を取得しました。
私は現在、施設への訪問歯科での口腔ケアも行っています。
老人ホームやデイサービスを訪れると、福祉住環境コーディネーターで学んだことがふつふつと蘇ってきて、福祉住環境を今までとは違った目線で見ることができるようになりました。
この資格を勉強する前だと、目にも留まらなかったであろう住環境の構造や意味を理解できるように。
”取って無駄な資格はない”
とはこのことか、と改めて実感しています。
3.一生の友達
30歳を超えて、たくさんの信頼できる友達が増えました。
ほとんどが私よりも年上の友達で、未熟な私は学ばせてもらえることばかりです。
お互い多忙で、なかなか会えない友達もいます。
福岡に、引っ越してしまった友達もいます。
だけど、どこにいても変わらない関係。
いつ会っても、訓練校で過ごしたときと同じような気持ちに戻らせてくれる、落ち着く存在。
本当に、有難い出会いと経験でした。
・まとめ
今日の記事は、私が実際に体験した
「職業訓練校”住まいリフォーム科”ってどんな科?私が経験した、最高に濃い半年間の話。」
という内容の記事でした。
職業訓練校は、”単なる再就職のための過程” だけではなく
様々な学びと出会いがある、素晴らしい日々を過ごすことができるかもしれません。
学校によっても、選んだ科によっても、それぞれのカラーはあるかと思いますが
きっと今までになかった世界が広がっていくことでしょう。
今、職業訓練校の受講を考えていらっしゃる方、
失業後、何をしようか?と悩んでいる方にとって、私のこの経験が少しでも参考になることができれば嬉しく思います。
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