私たち夫婦は友達とにぎやかに食事をすることが好きで、我が家にお友達が遊びにきてくれたら、一緒に料理を作ってお酒を楽しんだりすることがあります(^^)
そして、そのときに今のところ100%の確率で言われることがありまして。
そうなんです!
そりゃそうです!!その言葉が聞きたくて、
まーでも、よく切れる包丁って、本当に気持ちいいんですよね!料理のモチベーションの上がり方も違う。
我が家の包丁が、なぜよく切れるかというと、その理由は、
大工歴50年の間に刃物を研ぎ続けた、敏腕の元棟梁から直に教えてもらったからなんです。
そこで今日は、
”あなたのお家の包丁で、料理をするのが楽しみになる♪”
そんな包丁の研ぎ方についてまとめてみました。
1.切れ味の悪い包丁は、味に影響する
以前、テレビの番組で京都の料亭の料理人の方が
「切れ味の鈍った包丁で調理すると、確実に味に影響する」
とおっしゃっていました。
確かに、味覚的には感じたことはないけれど見た目では、その差がかなり表れそうな気がします。
刃が鈍い包丁で、トマトを切ったことのある方はうまく切れずに崩れてしまった、、なんていう経験が一度はあるのではないでしょうか?
1.切れ味による食材品質の調査
”切れ味が、料理の味に関わる”、
この真相を明らかにするために、何か手掛かりはないかと調べていたところ面白い記事を見つけました。
【日本調理科学会大会研究発表】の研究で、
切れ味の違いによって食材の品質にどのような影響が現れるのか?
という調査が行われたそうです。
その調査では、
”美味しさの要因には,味だけではなく外観・食感など様々なものがある”
と考えられていて、味・見た目・食感も踏まえての調査だった模様。
調査の方法は簡単。
切れ味の良い包丁① と 切れ味の悪い包丁②
この2本の包丁で、それぞれ
キャベツ・玉ねぎ・キュウリ・大根
を細かく切ります。
栄養士科1年生33名を対象に、切った直後の1時間と2時間後の
見た目・味・食感 の3点を評価。
さらにその食材はそれぞれ、冷蔵庫・常温で放置しておいて
12時間後・24時間後・48時間後・72時間後
における食材の褐変の様子を観察する、という方法です。
2.切れ味の悪い包丁で切った食材は、質が悪化
結論から言うと、
切れ味の悪い包丁②を使った食材は、
時間の経過とともに見た目・食感が
切れ味の良い包丁①よりも悪化していたそうです。
(詳細は、以下)
特に,キャベツの見た目に関し①と比較して②を悪い・やや悪いと答えた者の割合は,切砕直後に42%,切砕1時間後に60%,切砕2時間後に87%と評価が悪化した。(中省略) また,②では常温・冷蔵放置ともに切砕24時間後には褐変がみられたのに対し,①では切砕48時間後に初めて褐変を確認できた。切れ味の悪い包丁を用いることで,食材の見た目や食感などの品質低下を招くことが示唆される。 (日本調理科学会大会研究発表より)
2.包丁を研ぐ前に
まずは、実際に包丁を研ぐ前に私が大工さんから教わったいきさつや、包丁を研ぐ準備などをお話します。
1.住まいリフォーム科での授業
私は以前、歯科衛生士を一旦やめて、職業訓練校の”住まいリフォーム科”という住宅や建築関係の勉強ができる科に半年間通っていました。
ここでは、学科に加えて実技・実習の授業があり、その授業がなんとも本格的。
生徒の私たちは、大工さんが木材加工に使用する道具を、本職さながらに使いこなす練習をします。
それもそのはず!
教えてくださる先生が、この記事のタイトルにもなっている大工歴50年の大ベテラン先生なんです。
今は、学校専任なので建築界の一線からは降りられていますが、たくさんの技術を惜しみなく教えてくださいました。
その授業の一環として、ノミやカンナの刃を研ぐ練習に加え、自宅の包丁の研ぎ方も教えてくださったというのが、私が包丁のお手入れを真剣に始めた理由です。
2.砥石の選び方
使用する砥石ですが、これ大事です!
基本的に、よほど安価なものではければ差支えないとは思いますが、私の昔の経験から言うと、100円ショップで売っているようなものは全然使えませんでした。
授業で習ったものは、本職用なのでまったく同じではありませんが、雰囲気でいうとこのような砥石で練習しました。
ただこれは、大工道具用のものなので、もし新しく購入されるのであれば、包丁メーカーなどから出ている、包丁専用のものがいいと思います。
ちなみに我が家で購入したものは口コミなども調べて厳選した結果、こちらの包丁メーカー ”貝印” の商品です。
なぜ、この砥石を選んだかというポイントは、
1.包丁のことを1番知っている有名メーカーが作っている
2.荒砥石と中仕上砥石が裏表になっているので、モノを増やしたくない私的には砥石を2種類用意しなく
ていいのがとても魅力。
3.受け皿の裏面にはゴムのリブが付いていて、すべりにくく安定している。
4.砥石上の水(とぎ汁)を受ける溝がついているので、別に水を準備する必要がなく、楽そう。
5.使用後、砥石はホルダーにセットしたままで、水切り、乾燥できるらしい。
といったところを購入ポイントに考えました。
おそらく、一生くらいの勢いで使えると思います。
砥石を購入するときはまずはメーカーからの商品へのこだわりに着目することをオススメします。
貝印の商品で言うと、ピーラーも我が家では大ヒットアイテムです。
野菜の皮むきが楽しくなるのが、貝印のピーラーについてのお話はこちら。
3.包丁の刃の種類
では、包丁の刃の材質の種類ですが、一般的には
・鋼(はがね)
・ステンレス
・セラミック
がありますね。
セラミックに関しては、材質そのものがものすごく硬いので、セラミック製の包丁を研ぐ砥石は、ダイアモンドが入っている特別なものしか対応できません。
オススメの包丁の材質でいうと、やっぱりメジャーな鋼(はがね) か ステンレス ではないでしょうか。
4.あなたの包丁は、利き手用?
包丁には、両刃と片刃があり、さらに片刃に関しては、右利き用と左利き用があります。
↑両刃 ↑片刃
私は右利きなのですが、私が使っている母からもらった包丁は、なんと左利き用ということが、訓練校の先生の教えで判明しました!!笑
(母も私もまったく知らなかった!)
でも、問題なく使えます♪
ただ、研ぐときに少し研ぎ方が違ってくるので、そこに注意しています。
包丁が、利き手用かどうかの見分け方は
かなり微妙な曲線なのでわかりにくいのですが、これは、刃の表が左側にあります。
なので、左利き用。
右利き用は、これと逆で包丁の曲線が右方向に山になってカーブしています。
ちなみに両刃はカーブが一切なく、まっすぐです。
あなたの家の包丁はいかがですか?
3.大工歴50年の元棟梁に教わった、包丁の研ぎ方
では、いよいよ包丁を研いでいきましょう!
まずは砥石の準備です。
1.砥石の下準備
今日使う砥石は、さきほど紹介した我が家愛用のこちらです。
まず、砥石はこのように前もって5分くらい水につけて吸水させます。
砥石の中から空気が抜けて気泡がぷくぷく。
吸水は、だいたいこの気泡が出なくなったらOKです。
吸水できた砥石を、台にセット。
また、台の下には必ず濡らして絞った布巾を敷きましょう。
研いでいるときの、台の滑り防止のコツです。
このときの台の向きは、粗い面を上にむけてください。
そして台に水を溜めて、砥石の準備完成です。
この砥石以外を使用する場合は、水は別のボウルなどに準備できれば問題ないです(^^)
2.包丁の準備
今回研ぐ包丁は我が家愛用の、例の土佐包丁です。
だいぶ、サビが目立ってきました( ;∀;)
3.包丁を研いでいく
いよいよ、実践です!
包丁の刃は、右利き用の包丁ならば基本的に手前に向けて研いでいきます。(刃の表が右側にあるため)
こんな感じ。
しかし、今回は!!!
例のごとく、我が家の包丁は左利き用なので、研いでいるときの刃が逆向き(自分のほうに向いていない)になっていますが、悪しからず( ̄▽ ̄;)
包丁を倒す角度は、だいたい砥石との間に10円玉2枚くらいが入る隙間をあけてください。
そのまま、上下に動かします。
私は、カメラで撮影しながら研いでいるので片手だけになっていますが、実際は両手で抑えてくださいね(^^)/
こうして研いでいるときに出てくる、ドロドロした黒い水分は、研ぐときの大事な要素になるので、拭いたりしなくて大丈夫です。
砥石の水分が無くなってきたら、水を数滴垂らしながら研ぎましょう。
4.刃返りは研げている合図
研いでいるうちに、うまく研げていると
”刃返り”というものが出てきます。
研いでいる面と逆の、裏の面を触ってみると刃の淵に研げた材料の一部がザラザラと出てくるのですが、それが刃返りです。
刃返りが全体に出てきたら砥石を裏返して、仕上げ磨きをしていきましょう。
刃の表を、先ほどと同じ要領で磨いたら、刃の裏に出てきた刃返りも、同じように軽く磨いて除去します。
ここまでで、刃の面のお手入れは終了です。
5.切れ味の確認と、サビの手入れ
研げた包丁の、切れ味を確認するには新聞紙や普通紙を切ってみてください。
ひとまず、刃の面のビフォーアフターがこちら。
刃先が、きれいに光っています(^^)
ここまでで十分切れ味は問題ないのですが、刃先がきれいになったら、本体のサビも気になる…!!
今回は、本体のサビもお手入れしました。とっても簡単です♪
お手持ちのサンドペーパーで、サビの部分を磨くだけです。
あまり目が粗いもので強くこすりすぎると本体の面も粗くなって、汚れが付着しやすくなるので、なるべく目の細かいペーパーでこすってくださいね(^^)/
6.包丁研ぎ、終了!
錆びて、いかにも切れ味の悪そうな包丁が、生まれ変わりました!
ぴかぴかになって、気持ちがいいですね。
7.後片付け
使い終わったあとの砥石は、水で汚れを洗い流します。
この砥石であれば、台に置いたままで日光に当てて乾燥が可能です。
別の砥石をお使いの場合でも、このように
よく乾燥できるように広げて、日光に当てるなり自然乾燥できればOK!!
また、日ごろから包丁使用後すぐに、水分を拭き取って
オイルを塗るのも劣化予防に効果的です。
まとめ
今回は、
”大工歴50年の元棟梁直伝!サビた包丁も蘇る研ぎ技”について
レポートさせていただきました。
良く切れる包丁を使うと、料理も楽しくなり、出来上がりの味もさらに良くなりますよ♪
あなたのお家の包丁がピカピカによみがえって、お料理の楽しみが増えたら嬉しく思います(^^)
今日も読んでくださり、ありがとうございました!!
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