歯科衛生士に限りませんがずっと同じ仕事をしているとしんどくなるときって、おそらくほとんどの人にあるものだと思います。
以前書いた、こちらの記事。
それからまた、歯科衛生士に復帰をしていたわけですが。
先日、歯科衛生士を辞めました。
就職してから半年間で、見切りをつけた職場。
本当はもっと頑張れば、もう少し働くことができたのかもしれない。
まだまだ、私の努力が足りなかったのかもしれない。
だけど、退職して1ヵ月が過ぎた今はあのときに辞めて、本当によかったと、思っています。
今回は、あのときの私と同じように
・歯科衛生士を辞めたい
・歯科衛生士を続けることが辛い
・院長と合わないけれど、このまま続けるべき?
・朝、仕事に行くことが苦痛
・自分がやりたいことじゃない
そんな風に感じながら、歯科衛生士を頑張っているあなたへ、退職した私が今思うこと・体験したことをまとめてみました。
歯科衛生士だけではなく、どの職種の方にも届けられるものがあれば、嬉しく思います。
歯科衛生士として転職を経験し、他職も経て現在も現役歯科衛生士に戻った私が、歯科衛生士転職での数々のエピソードや考え方を発信するサイトを立ち上げました。
苦しかった経験や転職して感じたこと、転職サイトの使い方なども詳しく掲載していますので、よかったら休憩がてら覗いてみてください。
(歯科衛生士転職ネット内に登場する人物、”Chika”とは私の本名です)
歯科衛生士を辞めたいと思った理由
毎朝起きては、
「あぁ、今日もまた、朝が来てしまった。」
と、朝が来たことにでさえ落胆する日々。
重い足取りで出勤をためらう中、どうしても、自分を奮い立たせて
「よし!まだまだいける!頑張ろう!」
と思うことができませんでした。
1.院長のパワハラ
はっきり言うとね、これがすべて。
とってもストレートな言い方になってしまいますが……
大っ嫌いでした。
性格も考え方も。
あなたが勤務する職場の上司は、どんな方ですか?
勤務上での接し方、態度、物腰、話し方。
患者様やお客様、スタッフへの対応に至るまで、あなたはその上司の”在り方”に、納得できていますか?
私が働いていた歯科医院の院長は、
・思い通りにいかないことがあれば、すぐに舌打ちをする(クソっ!!と言ったり)
・診療補助が自分の理想通りにできていなければ、患者さんの前でも怒鳴る
・嘘をつく
・言うことがコロコロ変わる
・機嫌によって態度を変える
・患者さんの好き嫌いを態度に出す
・元スタッフのことを「馬鹿なやつ」呼ばわりする。
・反論できないような圧力をかけてくる
ざっと思い返した感じですが、こんな院長でした。
そんな上司の元で働くことが、私にとっては苦痛で苦痛で仕方がなかった。
あまりにも強烈に嫌な部分が見えてくるとね、例え長所があったとしても、多少の長所程度では全然フォローしきれないのです。
患者様の前で、他のスタッフの悪口を言うこともありましたが、それってイコール、自分の医院の評価を自分で下げているということでしょう。
そういえば、医院のブログに特定のスタッフの悪口を書いていることもあったな。
私は、尊敬することが出来ない上司の元では、志を持って働くことができませんでした。
むしろ、やる気やモチベーションはどんどん低下していく一方で。
正直、朝職場に着いて職場の匂いを感じただけで、心臓がしめつけられて途方に暮れるような感覚に陥っていたと思います。
2.やりがいが無かった
あなたが仕事をするうえで、”重視するやりがい”とは何が思い浮かびますか?
やりがいとは、人それぞれ違っていて当然で、例えば
報酬をやりがいと感じる人もいれば、知識や技術が身に付くようなスキルアップをやりがいと感じる人もいますし、または、相手(患者様やお客様)から喜んでいただけることをやりがいと感じる人もいるでしょう。
私にとって、仕事をする上でのやりがいとは、
”患者様のために、自分には何ができるのかを考え、最善を尽くして、患者様に喜んでいただくこと”
でした。
そして、その私の”やりがい”を満たす条件としては
これが、大きなポイントになります。
いくら、私が患者様に対して
「この患者様には、こんな歯周病治療をしたほうがいいだろう」
「この虫歯は、放っておかずに治したほうが良さそう」
と思ったとしても、所詮私は、歯科衛生士。
患者様への治療の決定権はありません。
なので、歯科医師よりも患者様とコミュニケーションを図る時間が長い歯科衛生士である私たちが、患者様からの意見を医師に伝えたり、今後の治療をどうすべきか?しっかりスタッフ間で話し合う機会を設けられたり。
そういった”話し合い”を受け入れてもらえて、筋の通った意見や助言をくださる歯科医師の元での勤務は、本当に治療がスムーズでストレスフリーで、しかも勉強になります。
あなたが勤務している職場は、上司や先輩方と、意見の交換がしあえる環境にいますか?
これを言ったら、怒られるのではないか。
こんな話をすると、うっとうしく思われるのではないか。
そんな風に感じながら、沸き上がる理不尽を飲み込んで働いていませんか?
私が働いていた歯医者は、衛生士が少しでも治療のことに対して発言しようものなら、ものすごい剣幕で押さえつけられ、口も開けぬくらいに脅しこまれていました。
でもそれって、本当に”治療”なのかな。
私には理解ができないやり方でしたが、きっとそんな状況に耐えながら働いている歯科衛生士さんは、全国に山ほどいることでしょう。
だけど、それは絶対に”普通じゃない”んです。
「歯科衛生士で働くっていうことは、こんなもんか……」
「社会人は、これが普通か…」
そんな風に、諦めないでください。
歯科衛生士を、嫌にならないでください。
あなたは、間違っていない。
もっともっとのびのびと、ありのままのあなたを受け入れて、あなたの長所を存分にのばして生かしてくれる歯医者が、絶対にあります。
3.やりたくない治療
やりがいはまったくありませんでしたが、やりたくないことは山のようにありました。
・さらに神経もバンバン抜きまくる
・患者さんとのコミュニケーションがとりにくい
これは、勤務していた半年間の中で一番心が痛かったことです。
永久歯は、1本たりとも不要な歯はありません。
歯を1本抜いてしまうだけで、どれだけ噛みにくくなることか。
”食べる” から ”喋る” に至るまで、1本1本の歯がとても大事な役割を果たしてくれるのです。
もちろん、どうしようもなくグラグラになったり、虫歯でボロボロになって使えなくなった歯は、無理に置いておいても逆に食べることの邪魔になることもありますが。
根がしっかりと植わっている歯は、抜く必要がありません。
患者さんが大切に大切にしている歯を、ごっそり抜きまくる院長のもとで働くのは精神的にきつかった!!
患者さんとコミュニケーションを取って、治療の話はもちろん、治療以外の話をさせていただくことなんかも、長く通院してもらえるひとつの秘訣だと思うんですよね。
当然、ダラダラと無駄な話をすることはまったく不要ですが、それなりに、患者さんが感じていることや不安・疑問に思っていることも、短い治療時間の合間に衛生士がそっと話を聞かせていただくだけで、患者さんの気持ちって和らぐものです。
(実際、私も病院に行った時、看護師さんに話をポロリと聞いてもらえるだけでホッとする)
例の歯医者では、患者さんと少し話をしようものなら、院長がすごい目つきで背後に立ち、貧乏ゆすりをしてきたり、話を阻止されてしまっていました。
4.院長に対する委縮と、治らない下痢
それでもなんとか出勤は続けていましたが、次第に、院長への恐怖からかすっかり委縮してしまい、出来るであろう簡単なアシスタントも出来なくなってしまいました。
「間違ってしまうと、舌打ちされて睨まれる…」
そう自分を追い込み、アシスタントに付いても身体が思うように動かない。
歯科衛生士を10年してきたとはとても思えないような仕事ぶりで、自分でも落胆する日々でした。
思うように動かない身体でアシスタントに付いても、案の定院長には溜息をつかれて、
「やっぱり自分はダメだ」
と思いこむ毎日。
すると今度は、出勤前と仕事中に襲うひどい下痢に悩むことになります。
もはや私は、ここで働く意味が、あるのだろうか?
言い方は悪いけれど、正直、何も得られるものがなかったです。
歯科衛生士の仕事は、好き?
あなたは、今の仕事を好きだと思えますか?
歯科衛生士の仕事だとしても、他の職業だとしても。
わずらわしい人間関係や、自分のスキルがどうとかこうとか置いておいて、
職業自体は、好きですか?
私にとって本来は、歯科衛生士の仕事自体、とても好きな業務でした。
仕事内容が好きだと思えたら、そう大きな問題がない限りは楽しく続けられるものだと思っていた私。
歯科衛生士って、すごく素敵な職業だと思うんです。
1.歯科衛生士は、職場がキーポイント
今回の職場に勤務してみて感じたのは、歯科医院はそれぞれの医院によって、雰囲気も治療法も仕事のしやすさも、まったくと言っていいほど違います。
それはそれは、同じ「歯医者」というカテゴリーでくくっていいのか?と思うほどに。
今回私は、”歯科衛生士”という職業が辛かったのではなくて、”歯科衛生士として勤務した職場”が、私には合っていなかったのです。
私のように、
「もう、辞めたい」
「歯科衛生士として働くのが辛い」
「自分には向いていないのかな」
と、心が苦しくなっているあなた。
あなたももしかすると、
「歯科衛生士として働くのが辛い」
のではなくて
「その歯医者で働くのが、辛い」
のかもしれません。
あなたが歯科衛生士として勤務してきた歯科医院は、今、何軒目ですか?
何軒でも、トライしてみるといいと思います。
歯科衛生士って、楽しい!!
そう思える歯医者に、いつか巡り合いますよ。
最近では、歯科衛生士の求人サイトも多く見かけます。
歯科衛生士の求人数で選ぶならファーストナビ歯科衛生士とか、
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2.生まれ変わった、友達
私の歯科衛生士の友達で、子育てをしながらもキラキラした衛生士ライフを送っている友達がいます。
その友達曰く、
「仕事が楽しくてたまらん!!」らしいです。
実は彼女、衛生士学校を卒業してすぐの新卒の頃は、ちょっと不真面目でした(笑)
朝起きて、仕事めんどくさいなぁと思ったら、休んだりとか。そんな感じ。
そんな彼女が今、仕事が楽しくて仕方がないというのだから、たいしたもんです。
彼女は、何軒も歯科医院の転職を繰り返すうちに、自分が心から楽しいと思える職場を見つけたそう。
その歯医者は、ドクターもスタッフも仕事の内容も、すべてが自分にピッタリだったと、私に教えてくれました。
彼女が見つけた、やりがいのある仕事内容は”ホワイトニング”。
今では、休みの日を利用してホワイトニングの勉強会に参加するほど、生まれ変わったように仕事に夢中になっています。
歯科衛生士が、向いているかどうか?
それは自分では、きっとわかりません。
向いているか向いていないか、で決めるよりも、自分が楽しく働くことができているか?毎日出勤することが苦になっていないか?
そういった基準で、職場を決めてみるといいでしょう。
ホワイトニングの仕事に夢中になった彼女は、本当に楽しそうでイキイキしていて、輝いているなぁと思わせてくれるんです。
3.我慢することが偉いとは限らない
よく、”辛抱強い” とか ”忍耐力がある” とかって聞きますよね。
だけど、本当に本当に苦しい状況で、すべてを我慢して自分を抑えながら働いて…それって、素晴らしいことだろうか。
もちろん、人と人が関わりあって仕事をするわけなので、ちょっと嫌なことがあったらすぐに仕事を投げ出して「もうやーめた。」というのは、どうかと思います。
仕事をする上での責任もありますので、何もかもから逃げることとは話が別です。
ただ、苦しくて楽しみもやりがいも何も無く、理不尽な上司に怒鳴られながらも我慢をして、ストレスを溜めて働いて、挙句の果てに病気になってしまうくらいならば、いっそのこと潔くやめてしまって、次の一歩をスタートさせたほうがよほど健康的で効率もいいでしょう。
人間は、変化を嫌い、恐れます。
新しいことから避けようとします。
しかしその新しいスタートは、今までの我慢が何だったのかというほど楽しくて、やりがいに溢れ、自分を必要としてくれる場所かもしれません。
時には我慢から抜け出して、一歩踏み出す勇気を振り絞ることも大切ですね。
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他の職種も経験してみる
”歯科医院で勤務すること自体に、少し疲れてしまった”
そう感じているのならば、無理に歯科衛生士を続ける必要はありません。
もちろん、1軒の歯科医院にとどまらず他の歯科医院での勤務を経験してみることで、前述した私の友達のように、やりがいを見つけられるかもしれませんし、
自分にピッタリの歯科医院が見つかることがあります。
しかし、一旦歯科衛生士を辞めてまったく別の職業に就いてみたり、別の分野のやってみたいことに挑戦・勉強するのもいいと思います。
1.視野が広がる
実際に私は今までも、歯科衛生士を辞めたあとに歯科界から離れて、全然違うことに挑戦してみました。
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自分が、歯科衛生士として生きている中では絶対に知ることが出来なかったであろう知識や世界を、本当にたくさん見ることができました。
普段、自分が暮らしている世界とはまったく違う世界に入り込むことは、一見勇気のいることのように思えますよね。
最初の一歩は勇気がいるかもしれませんが、いざ入ってみると、すごく新鮮です。
自分が持っていた概念がくつがえることが多々あるので、とっても刺激的で勉強になり、視野が広がりますよ。
昨年末、このサイトを立ち上げたことも私にとっては新しい挑戦でした。
自分で、一から何かを始めてみる。
歯科衛生士として暮らしていたころには味わえないものを感じることができています。
2.交友関係が広がる
新しいことや新しい職種に挑戦すると、視野が広がるだけでなく交友関係も広がります。
自分が知らなかった世界で働く人々の、仕事に対する考えを聞かせてもらうことが出来たり、また気が合う人に出会えると、職場という枠を超えて、仲間・同僚といった関係で付き合いを続けてもらうこともできますね。
そんな出会いって、貴重だと思いませんか?
全然違った道を進んできた人々と、同じ作業や同じ仕事をして、その時間を通して距離が縮まっていく。
短い人生です。
あっというまに月日は流れます。
疲れた心と体が落ち着いた頃に、また気持ち新たにチャレンジしてみると、今まで頑張ってきたあなたへのご褒美に思わぬ素敵な出会いや経験が待っているかもしれません。
歯科衛生士を辞めたいあなたへ伝えたいこと、まとめ
今回の記事を読んでくださったあなたは、今、歯科衛生士として働いているうえで何かしらの思うところがあって、ここへ辿り着いてくださった方も多いと思います。
今、働いている状況がどうしても苦しいと感じる場合、歯科衛生士を辞めよう!とは思わずにまずは歯科医院を変えてみよう、から考えてみてください。
自分にピッタリの、キラキラした毎日を送ることができる歯科医院がきっと見つかります。
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そして一旦歯科衛生士を辞めて、他の職種に転職してみよう!と新しいスタートを切る方も、きっとその地で素晴らしい経験や出会い、世界を見つけることができるはず。
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私の経験が、同じように悩む歯科衛生士さんや転職を考えている方のお役に、少しでも立てることができたら、嬉しく思います。
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