本職は歯科衛生士の私ですが、
実はこんな私、派遣社員として工場勤務をしていたことがありまして。
今振り返っても、なかなか内容の濃い、充実した日々でした。
今回の記事は、地元の麺工場で8か月間、派遣社員で勤務した私が感じた工場勤務のメリットとデメリットを赤裸々に告白します。
工場勤務をお考えのあなたへ、少しでもこの記事が参考になれば嬉しいなと思います。
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・麺工場を選んだ理由
私が住んでいる香川県は、うどん県と呼ばれるほどのうどんの街。
県外への帰省のお土産やご進物に、うどんを選ぶ方も多いです。
そんなこんなで、麺工場は大忙し。
職業訓練校を卒業したある日、この先どうしようかな。
歯科衛生士に戻ろうかなぁ。
バイトしてみようかな、と求人情報を見ていたら、何気なく目に留まったのが、その麺工場でした。
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1.自分にも出来そうな作業
その求人誌には、
”麺の箱詰めなど、誰でもできる簡単な軽作業!”と書かれていました。
手先を動かすのは嫌いじゃないし。
おそらく、黙々とただただ作業をするだけだろうな。
安易に考えた私はそう思い、
作業自体への不安が自分の中にあまりなかったので、その点が大きな決め手になりました。
自分にできるか不安な仕事って、その先入観があるので
まず作業に慣れるのにも時間がかかりますよね。
2.勤務時間
工場の勤務体制には、種類があります。
2.8時間勤務+残業の2交代制で24時間稼働
3.8時間勤務交代なしで24時間稼働しない
私が選んだ工場は、
3番の8時間勤務交代なしで24時間稼働しない工場でした。
しかも、私は派遣社員だったので残業はなし。
朝はお弁当を作る時間も必要、帰宅したら家事もあったり、気良々の散歩があったり、などなど考えると、8時半~17時半までくらいなら余裕はあるだろう、と。
社員の方は、繁忙期には残業もされています。
3.時給がいい
他の工場や、派遣会社の給料の相場はわかりませんが、私の場合だと時給1000円頂いていました。
プラス 交通費が4000円/月。
ただ、同じ工場で派遣社員として働いていた仲間で私が属していた会社とは別の派遣会社から派遣されていた人と、給料の話をしたときにわかったことが、
派遣会社によって時給が違うということ。
その方が属していた派遣会社は、時給950円で交通費なし。
この差は大きいものになりますよね。
同じ工場で同じ仕事をするのにも関わらず、派遣会社によって時給が変わってくるので、
そのあたりはよく確認しましょう。
もし工場系シゴト情報求人サイト「工場求人ナビ」を利用するのであれば、他社との条件の比較をしっかりしておきましょう。
ちなみにこの求人サイトは、面接に行くだけでクオカード3000円もらえたのがラッキーでした。(喜)
・工場勤務のメリット
では、実際に働いてみて感じたメリットを挙げていきます。
1.作業が単純
求人誌にも書いていたとおり、確かに作業自体は
麺の箱詰めや、商品の梱包、
グルグル回るラインに麺を置くライン作業など、
体力さえあれば簡単にこなせる作業です。
難しく覚えなければばらないこともないので
本当に淡々とこなす、という仕事でした。
2.勤務時間が決まっている
これは、派遣社員として勤務したゆえのメリットではありますが
17時半まで、と決まっていて残業が無かったので
時間がきたらすぐに帰らせてもらえるという点が助かりました。
17時半の定時がきているのに、ダラダラと
誰にも気づいてもらえないまま静かに残業に突入……なんてこともありません。
3.社員の数
歯医者で歯科衛生士として勤務していると、
どうしても人とのつながりは限られます。
患者さんとしては、たくさんの素敵な出会いはありますが
職場の仲間としては、かなり世界が狭い。
歯科衛生士学校の同級生で、
衛生士業界から退いた友達と話していたときに
「衛生士で働くには、世界と視野が狭すぎて、もっといろんな世界を見たかった」
という意見を聞いたことがありました。
その友達は、今ではいろんなことに挑戦して活躍しています。
工場勤務を体験し始めてすぐ、その友達が話してくれた意見を思い出し、
”なるほど、こういうことか。” と府に落ちました。
毎日、院長と他の衛生士2~3人との職場の世界は
密な人間関係を築くことはできますが、幅広い年代の方々と共に
職場での生活を過ごすことはできません。
一方、工場の社員さんは人数が多く会社全体で100名は超えるほど。
同じ部署だけでも、20人は超える人々と
日々接しながらお仕事することが出来ました。
さらに、年齢層でいうと20代から70代まで幅広く、
私が勤務していた工場には男女の偏りもそれほどありませんでした。
(若干女性が多いくらい)
これは、工場の作業内容の種類にもよると思います。
4.異国の方とのつながり
日本の工場には、
外国から働きに来られている外国人の方々がたくさんいます。
私が働いていた工場も例外ではなく、
ベトナム人の女性と中国人の女性がいらっしゃいました。
普通に生活していると、出会うことはないであろう国の方たち。
私と同じ部署で勤務していたのはベトナム人の女性が数人で
お互いに言葉はしっかりとは通じないのですが
それでも、片言で意思疎通を計り、仲良くなることができました。
生い立ちや、母国の家族のこと。
日本での生活のこと、母国の食べ物や習慣のこと。
寮に戻ったら、夜遅くまで日本語の勉強をしていること。
家族とはテレビ電話で話していること。
時には、お互いの身の上話で涙を流しながら語り合ったり、
笑い合ったり、肩を組みあったり。(ベトナム人の方はスキンシップが好き)
これほどまで、外国の方と深く関わることはこの先
人生の中でないかもしれない。
この工場で働いて、同じ部署で出会えてよかった。
そう強く思えるほど、貴重な体験をさせてもらえたと思っています。
そして、
もっと自分の語学を磨いて
ベトナムに会いに行こう。
世界の人々とも、もっと繋がってみたい。
彼女たちのキラキラした瞳と、楽しいやりとりが
そんな風にも思わせてくれました。
5.週休2日は確保されている
3交代や2交代制の工場でないので、
休日に関しては、日曜日と平日に1日シフト制でした。
日曜日の休みが固定というのはありがたいこと。
ただ、お盆の帰省などで夏季休暇をまとめていただいたり
旅行や連休といった休みをいただいたときには
やっぱり申し訳ないので、その分、別の平日に穴埋めをするなどの調整も。
そのあたりは、工場に限らず他の職場と同じで、
他の方との相談や兼ね合いによりけりですね。
こうしてみると、たくさんある工場勤務でのメリット。
では、デメリットとしてはどのようなものがあるのでしょうか?
・工場勤務のデメリット
あくまでも、私が感じたデメリットであるということと
それぞれの工場によっても違ってくるとは思いますが
それを踏まえたうえで、思いついたものを挙げてみます。
1.実は重労働
”誰でもできる簡単な軽作業!”
実は、重労働でした(゚∀゚)
とにかく体力はかなり使ったと思います。
確かに、麺の箱詰めなど簡単な作業であることは間違いない。
しかし、麺は麺でも
一袋300gとかの麺が20~30個入ったようなコンテナを
上げたり下げたりして運ぶ仕事だったり。
1袋120gの麺が80個入ったようなコンテナを動かしたり。
そういったコンテナを、何箱も台車に乗せて
ガラガラと引っ張って運んだりとか、結構な体力仕事で。
朝から晩まで立ちっぱなしもきつかったな。
ある63歳の男性の方が私と同じ派遣会社から入ってきたのですが
その方は毎日疲れ果てて、
毎朝出勤前に、駐車場に停めた車内でガーガーいびきかいて寝てました。
その方は2か月で辞めたのですが、
辞めるとき私にポツリと
「誰でもできる軽作業って聞いとったのに…」
と呟いて去ったのが忘れられません(´・ω・)
そんな私も、帰宅したら毎日ヘトヘト。
いくら時間が17時半にきっちり終わるとはいえ
一日が短いようで長かった!
気良々の散歩に晩ご飯の準備に
明日のお弁当の準備に洗濯ものに…とやるべきことはわかっていますが
帰宅後には、体力のバロメーター、100%が満タンとしたら10%未満てところ。
結局、旦那氏が洗濯物を担当してくれたり
仕事の合間に抜けて帰って気良々を散歩に連れていってくれたり
二人で手分けして毎日のことをこなしている状態でした。
もし、今後工場勤務を検討されている主婦の方や女性がいらっしゃって
見学など行く機会があれば、
仕事内容の確認で体力の使い方にも注目しておいたほうがいいです。
私のように、軽作業+重労働がついてくる場合があるかもしれません。
家事が出来る体力を残せるかどうか?
お子さんとのコミュニケーションができる余裕があるかどうか?
同じ派遣で働いていた50代の女性は、
15時上がりという条件で入社していたので
そういった交渉も可能なら、ひとつの手段かもしれませんね(^^)
2.人間関係
気になるところが、人間関係。
大人数の社員の中での勤務は、視野が広がるという利点はありますが
その分、付いてくるのは人と人との関わりです。
これだけは、どの世界にいっても避けられないものですね。
工場には、どちらかというと
新しい人材をどんどん取り入れるというより
古くから働いている人たちをメインに動かしているところが多いと思います。
私が勤務していた工場も、まさにそう。
私の部署には、この道何十年のベテランさんで
50~60代の女性が数名いました。
皆さん、とてもシャキシャキされていて仕事ができる方が多いので
あまりにも手が遅かったり、ミスが多いと
お叱りが飛んできていた人もいました。
そのお叱りの矢は、いつも決まった人に目掛けて飛んでいきます。
確かに、ミスの連発は仕事をするうえで防がなくてはいけません。
ただ、言い方が少しきつく聞こえる、とか
そこまで言わんでも…。みたいなことはあったように思います。
中の人たち同士は、仲良しが多く
派遣社員の私でも、最初の2か月くらいを超えると
だいぶ打ち解けてきて、皆さん良くしてくれました。
工場内、人間関係のデメリットの結論で言うと
シャキシャキとしたしっかり者の方が多く、
仕事に関してはシビア。
しかし
根は情に厚く、人好きな方が多かった、というイメージでした。
3.休憩時間
この工場では、定められている休憩時間は1時間でした。
お昼休憩 12時~12時50分
15時の休憩 15時から15時10分。
しかし。実際のところ、8時20分から朝礼で作業開始、
17時半までの一日の業務の中で、休憩時間は
お昼休み30分
午後の休憩10分 という休憩時間の内容でした。
ただこれは、特に工場が休憩時間を偽っていたわけではありません。
本来なら、定められたとおりに休憩をすることに問題ないのですが
12時に休憩に上がっていざイスに座ってご飯が食べられるのは
12時10分くらいから。
12時45分には作業場には先輩方は作業場で作業を始めているので、
12時40分には休憩を終わらせて、作業の準備をします。
と、なるとお昼休憩は30分しかない。
きっと、それ以上にお昼休憩がない職業の方も
たくさんいらっしゃるとは思うのですが、
1日立ちっぱなしで重労働する中だと、もう少し休憩時間が長くてもいいのになぁ。
と思ってしまったことがしばしばありました(;^ω^)
4.装飾品やメイク
これは、デメリットというほどでもないかもしれませんが
商品に異物が混入してはいけないので
装飾品はすべて外しておかなくてはいけません。
女性のメイクは
ラメのものなども商品に混入するのを防ぐため
薄ーいナチュラルメイクで、つけまつげも禁止でした。
あとは、髪の毛をヘアキャップで包んで
さらに防止でスッポリと全部覆って
マスクもして、
見えるのは目だけ、の状態で作業をします。
その影響で、仕事が終わったら髪の毛はいつもバサバサでした(゚∀゚)
前髪なんかは、ペトーーっと異様な癖が付いて、
少々ブラシでとかしたくらいでは戻らないようなやっかいな癖です。
女性だと、もしかしたら
そのあたりが気になることがあるかもしれません。
5.手荒れ
段ボールや、紙類を触ることが多い部署だったのでずっと手が荒れていました。
乾燥する季節は、特にヒビがバキバキに。
紙類に、手の油や水分を取られて
ハンドクリームを塗っても効き目なし!
なぜなら、ハンドクリームを塗っても
作業場に入る前に、しっかりと手を洗浄しなくてはいけません。
そこで、クリーム全部落ちます。
もちろん、中に持ち込みも禁止です。
工場の業務内容によっては、段ボールなどを触らない工場もあると思うので、
そのあたりもチェックポイントのひとつではないでしょうか(^^)
・結論。
こんな具合に、工場勤務のメリットとデメリットを挙げてみたところで、
私が働いた期間は、8か月という短い期間でしたが
工場で働いてよかったか否か、という点で考えてみると
よかった!!
と、はっきり言えます。
なぜなら、今までの自分の生活のままだと
知らない世界をたくさん知ることが出来ました。
また、日ごろ自分が口にするような食品製造の工程も知ることが出来て、
幅広い年代の方々や、性別関係なくコミュニケーションを図ることもできて、
外国の方とも仲良くなることが出来ました。
年が近い、20代の女の子とは、お友達になれて
退職した今でも、繋がりをもつことができています。
何度も言いますが、
これはきっと、工場で働かなければ知ることは絶対になかった世界です。
体力は消耗して、へとへとになって
しんどく思うことはたくさんあったけれど
それを上回るくらい、素敵な経験だった。
それぞれの工場に、それぞれの個性があって
状況は違うこともあるとは思います。
もっと楽な工場、もっともっと労働がきつい工場。
ただ、工場勤務って意外と、イメージしているほど
”単なる淡々とした作業を、黙々とこなす”
職場ではなく、
出会いあり、学びあり、メリットあり、の面白い職場だったなぁ、
と、振り返っています(^^)
この記事が、今
”工場で働いてみようか。どんな感じなんだろう?”
と、考えている方の目に留まって、
何かのお役に立てたら嬉しく思います。
工場勤務に興味がある場合は、まずはハローワーク、求人サイトやフリーペーパーで探してみましょう。
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